雑務ばかりを押し付ける

スポコン的な指導方法はもはや時代遅れ

ほとんどの企業が実施している新入社員への社員教育は、新たに戦力となった人材の今後を左右すると言っていいほど非常に重要な機会です。新入社員に対する研修の講師は外部から招聘するケース、内部で調達するケースがありますが、いずれにしても社員のお手本となり、指導する技術に長けた講師を選ぶことが大切です。ひと昔前までは「仕事は見て覚えろ」といった指導スタイルの講師もいましたが、現在の若者には理解ができず、一歩間違えるとパワハラと見られてしまう恐れもあります。スポコン的な発想の教え方は、もはや通用しない世の中になりました。手取り足取り指導し、個人個人の習熟度に合わせた柔軟な対応が求められます。目標は頑張れば手の届く場所に設定し、モチベーションを切らさない工夫も必要です。

山本五十六の格言を指針に

明治時代の連合艦隊司令長官、山本五十六の言葉に「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば人は動かじ」というものがあります。戦後はスパルタ教育や「仕事は盗んで覚えるもの」という指導法がもてはやされた時期もありました。例えば飲食業であれば、最初の数年間は皿洗いだけしかさせないといった雑務ばかりを押し付ける新人いじめのようなケースも少なからずありました。しかし現在では慢性的な人手不足もあって、そのような職場は人が入らず、定着もしません。山本五十六の言葉のような指導方法が再び注目を集めているのです。新入社員は希望と不安を抱えながらも前向きな気持ちで入社してきます。指導者としては将来に明るいビジョンを描くことができ、自信につながるような指導を目指すべきでしょう。